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2006年6月11日

IT基盤計画書作成について

ANの論文作成について思うこと

 ある生徒さんのAN論文の添削を行ってみて感想を述べます。
H17年午後II問2の制約条件

出題の題意は「IT基盤の整備計画について」とシンプルですが、「ビジネスの変化に対応する柔軟性や拡張の確保」「ビジネス戦略を理解したうえでの計画」 という制約条件がはまっています。

システムアナリスト加藤忠宏の意見
IT基盤整備計画書作成の際の留意事項

 以前、あるビルのIT基盤整備計画書を作成した際に留意したことを列挙します

  • 1.IT基盤整備計画書の上位文書の査読(通常は情報戦略書か経営戦略書)する
  • 2.企業、都市などクライアントの抱えている課題を理解する
  • 3.IT基盤整備計画書が準拠しなければならない法律を理解する
  • 4.IT基盤整備計画書を作成して欲しい、クライアントの狙い(目的・意図)を理解する
  • 5.組織文化や現在のインフラの状態について理解する

 自分の場合は、創業者をインキュベートする施設及びそのネットワーク環境と位置づけを議会に提出する 基本計画書を作成したのでした。IT基盤整備計画書を作成するとき、システムアナリストはクライアントの 立場に立って、その組織の成り立ち、文化、構造上の問題点などについて深く理解しようとするのです


経営戦略書を徹底的に読み込む

 IT基盤整備計画書を執筆前に、システムアナリストはクライアントの経営戦略書を徹底的に読み込みます。
そして、ITインフラの整備によって得られるメリットを特定し、絞り込んでゆきます。そして経営者に納得の行くメリットを示します。




  • 1.売上の向上、営業利益率の向上(経営的効果)

  • 2.株価の向上(社会的評価)

  • 3.顧客との関係の効果

  • 4.競争の優位性の確立について

  • 5.業務の効率化の推進、生産性の向上



 効果には経営的数字や株価のように計数的に評価できる項目と、競争の優位性や顧客との堅固な関係など、
数字に表れない要素もあります。しかし、相手は経営者ですから、両論をきちんと説明できれば大概の場合は
納得できるはずです。

IT基盤整備計画書を執筆する際の盛り込む内容

 IT基盤整備計画書には次のよう内容を盛り込みます。

  • IT化投資の目的と計数的効果
  • 計数的効果の測定方法とITガバナンスの手法
  • 中長期計画の見直しについて
  • IT投資の予算とその回収法
  • IT投資や技術選リスク低減のための手段
  • IT投資計画が満たすべきコンプライアンス
小論文を書く上での留意事項

 以上のことを踏まえて、小論文を書く上での留意事項を示しておきましょう。

  • システム開発の話に終始してはいけない
  • 経営戦略書を読み込む、態度を示さないといけない
  • ビジネス環境に配慮した開発計画や拡張性への言及が必要
  • IT投資を短期間に回収する方策が示されているとさらによい
  • IT投資や技術選択にあたっては他社の先進事例のサーベーランスが必要

 従って、AEのようにひたすら開発手法について述べていれば合格が出来る種目とは少し趣が異なる点に 留意が必要です。

 本件について何かご質問がありました、掲示板やメール等でご意見をいただければ、回答申し上げます。

(c)有限会社アイ・リンク・コンサルタント



投稿者 kato : 2006年6月11日 16:12