△HOME |  システムアナリスト小論文・記述式対策講座 |  システムアナリスト小論文突破講座CD |  プロジェクトマネージャ日記


 加藤忠宏のシステムアナリスト日記

  掲示板に書ききれない情報を日記風にまとめました。
  気まぐれに更新します(2004/8/30更新)
  →2005年度版はこちら


Webシステム開発とミドルウェアの有効活用
平成16年 8月30日(月)

 今回はWeb情報システムに関する記事をまとめて読んだので、それぞれの内容を整理しておこうと思います。

●用語の定義

●従来の課題

 従来のHTMLやCGIでは、静的なページであったためユーザの複雑な要求に対応してWebを表示することが困難でした。
 次に登場したのがPHPやJSPなどのページベース開発手法です。しかし、これらはHTML内にスクリプトを埋め込むため、HTMLの冗長性に繋がります。 またロジックの埋め込みにより応答性能が犠牲になります。また、プログラミング言語によってテンプレートの記述が異なるなどの欠点もありました。


●ミドルウェアの提供する開発フレームワークを使うことにより、次のようなメリットが出ます。
  1. ロジックとプレゼンテーションの分離による開発工程の並行作業が可能
  2. 1によって開発期間の短縮化
  3. 1による、開発言語の変更からプレゼンテーションの独立
  4. Webシステムの高応答性が可能

●ミドルウェアテンプレートの活用プロジェクト

 一般にミドルウェアテンプレートは、大規模プロジェクトに適しているといわれています。 またミドルウェアの選定に当たっては、@導入支援が手厚い、Aミドルウェアの保守サービスが充実していることが選定条件です。


 参考文献:
  「パッケージソフト&ソリューション総覧2004」P36 日経BP社
  「Webプレゼンテーションのパターン」
    http://www.microsoft.com/japan/msdn/practices/type/Patterns/enterprise/EspWebPresentationPatterns.asp
  「プレゼンテーション層を2つに分割した、Web用超高速テンプレートシステムの開発」
    http://www.ipa.go.jp/jinzai/esp/15mito/gaiyo/14-17.html




ページトップへ



二次元バーコードとトレーサビリティシステムの経済性について
平成16年 8月17日(火)

 今日の話題は二次元バーコードです。
 日経流通新聞を読んでおりましたら、たまたま8月10日号と12日号に、二次元バーコードと食品流通業のトレーサビリティの記事が乗っておりました。

●トレーサビリティについて
 食品の場合、精肉や惣菜のように加工されてしまいますと、出所を偽っても消費者にはわかりませんから偽った原産地を示して販売することも可能です。まさに、羊頭狗肉といえるでしょう。
 このため、消費者から不信任を受けるようになった業界が数多くあります。また、遺伝子組み換え食品の問題などあって、消費者から疑いをかけられたとき、それを回避するために食品の履歴や出所を示す仕組みが不可欠となってきました。 これがトレーサビリティです。本来は品質保証システムのISO9001にあったもので、追跡可能と訳していました。

●二次元バーコードの有利性
 一般に、トレーサビリティにはICタグ等の利用が提案されております。しかし、前述のようにICタグには様々な問題が指摘されております。これにくらべて二次元バーコードの有利性は以下のとおりです。
  1. 低コスト(ICタグは1枚数十円〜百円に対して、二次元バーコードは1枚1円)
  2. 二次元バーコードは携帯電話などで読み取れるため、販売現場で主婦が食品の履歴を携帯電話で読み取って参照できる
  3. このため、食品製造業サイトとの連動も容易
  4. 導入技術としての課題が少ない
●課題
 しかし、惣菜などは、様々な由来原料を使うため、食品ごとにこれら由来原料を特定しなければなりません。このため、加工段階で素材コードを読み取ります。 この素材コードには、主産地、加工日、品種、重さなどの情報が一意に定まります。素材コードは材料に添付されて工場に到着するわけです。
 工場では、製品をロット番号で一意に定めます。ロット番号をたどると、素材コードにゆきつき、上記由来原料の出所が明らかになります。 最終的にロット中の製品に対して1つずつ8けた程度の品質保証番号をつけ、これをデータベースに登録するわけです。

●システム開発費
 このようなシステムを独自開発するためには、おおよそ、第一段階投資で10億円必要になります。第二段階投資は毎年1億円程度と知っておいてください。


参考文献:日経流通新聞2004年8月10日号(検証・先端システム)、
                      12日号(生産者履歴追跡・2次元バーコード利用)





ITIL=顧客要件を満たす品質の高いITサービス管理体系=
平成16年 8月 9日(月)

○ITIL (IT Infrastructure Library)
 ITILを調べるために英国商務局(OGC : Office of Government Commerce)のページを閲覧しました。おおよそ次のようなことが書いてあります。

[要約]
 ITILは、ITサービスのマネジメントについての最も包括的なアプローチ方法である。
ITILはITサービスマネジメントについてのベストプラクティスのセットを提供する。要は、ITサービスマネジメントの手続やサービス提供、実装、機密管理や教育などを体系化したものを提供するということ。

 ここで、ITサービスマネジメントとは、「顧客要件を満たす品質の高いITサービスの計画・開発・提供・維持に必要なプロセス」について、SLA(Service Level Agreement)と適合してゆけるように作り込んで行く手順のことです。
 ということは、ITILとは、SLAを満たすITサービスベンディングについての体系をまとめたもの。ということなります。

○ITILについて学ぶためには
 OGCサイトでは、以下の文書が発行していることを示しています。これが、ITサービスマネジメントの体系です。英語に自信のある方は入手されてはいかがでしょうか。
  1. Service Support  
  2. Service Delivery  
  3. Planning to Implement Service Management
  4. Application Management
  5. ICT Infrastructure Management
  6. Security Management
  7. The Business Perspective (not yet published ・due autumn 2003)


出所:「OGC - - ITIL」  http://www.ogc.gov.uk/index.asp?id=2261
参考:「@ITマネジメント」 http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/itil.html




ページトップへ



流通型SCMのベストプラクティス
平成16年 8月 5日(木)

 現在、経済産業省が中心となって「流通サプライチェーンマネジメント全体最適化情報基盤整備事業」が実施されています。 そして次世代流通EDIの主流になるであろうXML-EDIの研究が進められています。

■用語の定義
 システムアナリスト午後II・小論文試験でも出題されるのですが、いくつかの用語の正式な定義が出ていました。
■EDIとSCMとの違い
■R&Rデータベースの必須要件

 R&Rデータベースの必須要件はおおよそ次のとおりです。
  1. リポジトリ標準の実装
  2. 雛形の定義手法の実装
  3. 共通的情報構成辞書の提供
  4. 業界別雛形の登録
  5. 業界リポジトリへのリンク機能の実装

 参考文献:「流通SCM共通プラットフォーム構築を目指して」流通とシステムNo120、P4~9浅野正一郎



ページトップへ



市町村の統合と住民サービスシステムの統合
平成16年 8月 3日(火)

●背景と問題提起
 最近、市町村の合併が社会問題になっていますが、情報システムの統合も大きな問題となっております。
  1. 市町村ではそれぞれ類似した住民サービスを持っていることがある。
  2. その関係で市町村のコンピュータには個人情報が多数存在する。
  3. 市町村の統合後も、市町村端末に個人情報を保持させると、情報漏洩が課題となる。

●統合後の方針
 ある市町村統合後のシステムの構想は次のとおりです。

 [情報システムの全体構想]
  1. 合併後の旧市町村端末には、個人情報はおかない。
  2. 住民サービスを行う場合は、許可されたものが、認可された縦続きで個人情報にアクセスする。
  3. 住民サービスを委託された業者と新市町村は、機密保持契約を締結する。また、個人情報取り扱いの範囲と手続きを定め、周知する。
  4. 情報システムはASP(Application Service Provider)上のデータベースサービスとアプリケーションサービスを利用する。このことにより、安価で迅速で柔軟なシステム構成となる。
  5. 旧市町村(新庁舎)におかれた端末とASPとの間はVPN(Virtual Private Network)で接続し、回線上の盗聴を予防する。
 最近は、情報セキュリティをシステム化計画の要点とするケースが多く見られます。この点には十分、システムアナリストとしても配慮が必要でしょう。




ページトップへ



旧来の顧客との関係の保ち方について
平成16年 7月30日(金)

 風が強くなってきました。さて、台風10号はどうなるのでしょうか。
今回のお題はシステムアナリストと顧問顧客の関係の保ち方のお話です。


●問題の提起と背景

(1)問題の提起
 現在、私の提唱するマーケットプレースの仕組みが好調で、さまざまな地区のさまざまなお客様からの引き合いがあります。 でも、私がそちらに企画書をご提出すると、どこからかその情報が漏れまして、旧来のお客様から「わしらを見捨てるのか」というきついご質問をいただくことがあります。
 基本的に私はお客様を裏切ることは無いわけですが、お客様と私と視点が異なるために誤解が発生するわけです。

(2)背景=事例=
 いまA地区とB地区といった近隣した地域があるとします。イメージで言うとA県とB県とは、間にX県とを跨ぐ関係にあります。A県はB県の下請け県です。 実は私は下請けA地区で多大な利益を、サイトを通じて製造業者さんにもたらせています。今般はB地区でマーケットプレースの構想が持ち上がったわけです。 このような場合、A地区の担当者さんはB地区に仕事が奪われ、サイトが衰退すると考えがちです。でも、本当にそうでしょうか。


●利害関係のメカニズムを顧客に説明する

(1)A地区担当者に説明したこと
 私がA地区の担当者に説明したことはB地区の反映がA地区への波及効果をもたらすということです。 元々、B地区はA地区の元請けですから規模も大きく競争相手になり得ません。また、B地区に仕事が大量に入ればA地区に仕事が流れる訳です。

(2)顧客の心理
A地区担当者も立派な方です。ではなぜ、このような問題が発生したのでしょうか。
その理由を以下に示します。
  1. 情報システムの差別性や効果が大きいほど、受益者は心理的に守りに入る
  2. したがって、差別性の強い情報システムの企画者の去就を監視している
  3. システムアナリストは客観的にかつ、かなり高い視点を持ち、情報システムの計画を立案するが、担当者には視点の高さが理解できないことがある

 いずれにしても、このような問題が発生したときは、お客様と腹を割ってお話して、システムアナリストの構想を理解していただければ良いと思うわけです。





ページトップへ



EAI(Enterprise Application Integration)とビジネスモデル定義
平成16年 7月11日(日)

 EAIとは、複数のコンピュータをネットワークで連結し、データベースや業務を統合し、情報システムや業務システムの効率化を図ることです。
 EAIを実施するときは、通常BPM(business process management)ツールを使い、業務フローを定義してゆきます。 これらのツールを使うことによって、業務要件定義における人的なミスなども防止できるわけです。
 最近のBPMツールのなかには、Java技術やXML技術を使って実装しているケースもあります。このようなBPMツールを使って、ビジネスモデルを定義し、可視化してゆくことが大切です。 これによって、複数部門に跨る業務の効率的最適化が図られてゆきます。




ページトップへ



ロジスティックシステムの業務変革について
平成16年 7月 5日(月)

○問題の提起
流通業は、「卸の中抜き」を含めた流通の短絡化、「問屋無用論」、「顧客である小売業の廃業」などで窮地に追い込まれています。 このような経営環境を打開するためのIT戦略の提案が必要になっています。

○IT戦略提案の基点
 流通業のIT戦略の基点をいくつか例解的に開示しましょう。
  1. 店舗運営コストの削減(注1)
  2. 流通グループの在庫削減への協力
  3. 遅配・誤配など配送リスクの提言(注2)
  4. 小売業の作業量低減などのリエンジニアリングの低減(注3)
○事例
  1. 店舗運営コスト削減
     チェーン店舗450社に、ADSL+VPNを導入、この結果、電話代の70%に相当する6000万円のコスト削減。投資コストはIP-PBXなど1億5000万円。

  2. 流通グループの在庫削減への協力
     ボランタリーチェーン単位で在庫監視システムを導入。また、過去の販売データベースを参照し、天候などのコーザルデータから、 翌日の売上を予測、適切な量の定番商品を配送することにより在庫の欠品、店舗単位の発注作業の低減を行う。
     投資コストは概算で20億円、1500店舗に端末を導入、この結果、VC全体で商品の廃棄ロスを20%、受発注コスト50%を削減する。

    ※ボランタリーチェーン(VC)
     店舗が独立性を保ちつつ、共同で製品開発や仕入、従業員教育などを行うための組織形態。中堅店舗が共同で情報システム(POS,EOD、VAN)などの運用を行うこともある。

  3. 遅配・誤配など配送リスクの提言(配送リスクの回避)
     GPSをすべてのトラックに配置し、トラックの運行状況を配送センターで監視、そのデータを蓄積することによって、効率的な配送スケジュールの改善、構築やトール的な物流コスト削減計画に寄与する。 また、緊急ルートの指示をトラックに直接指示することにより誤配などのリスクを低減する。

  4. 小売業の作業量低減などのリエンジニアリングの低減(リテールサポートの強化)
     顧客である店舗の負担を極力削減する情報システムも顧客との関係強化には有効である。 具体的には、商品到着時に行われる、@内容検品、Aバックヤード保管、B通路別ピッキング、C補充作業を簡便化し、自動検品システムを導入することによって、検品作業を削減し、 また、商品配置の適切化指示により通路別ピッキング作業を簡便化することができる。
○まとめ
 しかし、このような情報戦略は数十億円の投資が必要であり、地元にある中堅の流通業には投資が難しい。 したがって、中堅以下の規模の流通業に対してはリテールサポートといって、小売業との関係強化を目指す情報システムの構築が必要である。


(注1) 出所:「検証・先端システム」日経流通新聞2004年6月29日=2も同様=
(注2) 出所:「運行を常時把握」日経流通新聞2004年7月1日
(注3) 出所:「勝つためのロジスティックスセミナー」日経流通新聞2004年6月22日




ページトップへ


「小売業の戦略情報システムの費用対効果」について
平成16年 7月 4日(日)

○問題の提起
  企業の売上に対するIT化支出比率が向上しているそうです(注1)2001年に売上高対IT化支出が1.3%だったのに対して、2003年は1.9%ということだそうです(注2)。 しかし、その支出内容が問題です。支出は「戦略投資」と「定常費用」とに分類されているのですが、2001年及び2003年共に戦略投資が0.8%と変化がなく、 定常費用にIT化支出が圧迫されていることが問題です。ここから、TCO(Total Cost of Ownership)の最適化の必要性が急務となっております。
 また、小売業では 「IT予算の妥当性を評価する指標が無い」とする企業が41.2%に登っているのも問題です(注3)


○小売業のIT戦略投資の必要性
 小売業は、顧客のニーズの多様化・高級化、業界内の競争激化、経済環境の劇的な変化によって、柔軟かつ迅速な経営対応が求められています。 このため、IT戦略で重視するニーズは次のようになっております。



 この内容を見ると、@動的な経営環境の変化に対応するために、A既存のデータの活用が重要視されていて、Bそのために、社内外のネットワークを重視する。Cまた、そのための費用対効果が課題となっていることが伺えます。


○顧客ニーズに対応できていないITベンダー
 しかし、そのようなニーズにITベンダーが十分に対応できてないのではないでしょうか。
その理由としてあげられるのが、IT予算の決定基準です。

【IT投資決定基準(抜粋)】
  1. 戦略上の重要度(82.4%)
  2. 財務的基準(投資対・効果、経済価値)(68.0%)
  3. システムベンダーの意見(0%)
ほとんど、社内要因でシステム投資が決定され、ITベンダーの助言がまったく機能していないといえそうです。また、SCMのようなシステムについても 「SCMの投資は期待が持てない」という意見が多いそうです(注4)


○ITの優先順位の高いシステムから提案しよう
 大型店舗を持つ企業のニーズの高い情報システムは直接利益に結びつくシステムといえそうです。具体的には、@店舗システム、Aマーチャンダイジング(品揃え計画)、BSCM、C顧客とのリレーションシップ(CRM)の順です。
 そこで、システムアナリストとして情報戦略に関与する場合には次のような態度で臨むことが必要です。

【大型店小売業の情報戦略立案の基本】
  1. 企業の経営環境を綿密に観測して、優先的投資ニーズを把握すべき
  2. ITベンダーとしての利益を前面に出さず、顧客の経営課題に耳を傾けるべき
  3. 営業利益、税引き後利益ベースで利益を捉え、ROIや正味現在価値法に基づく、投資回収計画を立案すること
  4. 導入すべき情報システムの優先順位を確立すること

※CRM(Customer Relationship Management):顧客を潜在顧客から、見込み顧客、顧客、リピータとして順次、顕在的な顧客への転換をはかりつつ維持してゆく仕組みのこと。


(注1) 参考:「TCO削減、戦略的なIT投資が競争を勝ち抜く付加価値を生む」内山悟志
      掲載:『日経コンピュータ6月28日号』付録「TCOの真実」P5
(注2) 出所:ITR調査結果(500社)
(注3) 出所:「小売業のIT活用白書2004」
    実施期間2003年12月、対象企業は大手小売業にFAXで、回答は34社。
      掲載:『チェーンストアエイジ2004年3月1日号』
(注4) 出所:「小売業IT活用実態調査から」安藤秀之 『日経流通新聞2004年6月24日 P26』




ページトップへ



データは出店企業のものか、ポータルサイトのものか?
                 =楽天の顧客情報囲い込み戦略=

平成16年 6月24日(木)

●個人情報利用の制限
 楽天が6月以降、出店企業に対して、顧客情報の一部提供の制限を発表、これが実施されました。理由は、「個人情報保護」が根拠らしいですが業界ではそうは捉えていません。
 どうも、楽天が、「ライバルポータルサイトを差別化し、月商1000万円サイトを繋ぎとめる戦略だ」という意見が出ています。

●退店すると顧客情報は利用不可能
 楽天は、2004年4月1日付けで出店規約を見直して、メールアドレスなどの顧客情報は楽天退店後には利用できないという規約に改正しました。また、顧客情報は楽天が独自に利用できることを宣言しているのです。

●個人情報の帰属
 個人情報は通常、楽天に出店した企業が懸賞サイトや広告料を楽天に払って手に入れたもの。これに対して楽天は「顧客データは楽天のもの」だと主張。個人情報の帰属を宣言しています。これを一部の証券関係者は完璧なチェーン店モデルと評価しています。しかし考え方によっては、楽天が成長段階にあるときは有利に働くでしょうが、成長が止まったときに出店者の反発が強まりそうなやり方です。

●システムアナリスト加藤忠宏の意見
 著書やWebで表明している通り、楽天は売れる仕組みですが、必ずしも儲かる仕掛けではないと思います。加藤の試算では、楽天に出店しつつ営業利益ベースで損益分岐点に達するためには年間3000万円以上の売上が必要です。
 確かに、月商1000万円の企業はメリットがあるでしょうが、必ずしも多くの店舗がそのような売上になっているとは限りません。私の関与先も、私の指導前に30店舗楽天に入店していて30店舗の売上合計が年間60万円でした。
 現在、同地区でこれらと同等の力量、もしくはそれ以下のITリテラシのグループを数十社率いてWebビジネスを仕掛けていますが、彼の負担金総合計100万円以下で売上2400万円(4ヶ月)を達成しています。
 無論、楽天出店店長のご苦労の話は良く聞くし、楽天自体優れたシステムでしょうが、関与先には積極的には推奨していません。上記の件も個人情報の帰属に関わる法的根拠を知りたいと思いました。

 参考:日経流通新聞2004年6月15日楽天攻めの「相乗効果」



ページトップへ


インターネットEDI
平成16年 6月23日(水)

 インターネットEDIによって、スーパーマーケット購買業務の効率化された例が日経流通新聞(「ネットEDI仕入れ情報電子化」2004.06.15)に取り上げられておりました。この記事はおおよそ、次のようなことを示唆しています。

●スーパーマーケットの課題
  1. 各店舗単位で仕入れを行うので、本部は仕入額全体をリアルタイムに把握できなかった
  2. 小売店から発行される納品伝票、請求書が標準化されていない
  3. 1日3700枚の伝票が発生し手作業で対応
  4. そのため、本部入力担当者が10人
  5. 月次決算に10日かかっていた
●IT導入による対策
  1. 発注はEOS(Electronic Ordering System :電子発注システム)とFAXを利用
  2. ASP(Application Service Provider)サーバを設置
  3. 仕入先200社/300社にはPCを1台導入
  4. ASPサーバへは、PCから納品情報と請求書が送信される
  5. ASPサーバはインターネットを経由して本部に請求書、店舗に納品情報を配信
●経営的対策
 仕入先の理解を得るために、仕入先と次の合意を形成します。
  1. ソフト導入費用1000万円はスーパーマーケットが負担
  2. ASP利用料は店舗単位で課金、課金は仕入先が負担
●経営的評価
 上記の取り組みによって次のような効果があった。
  1. 日の手入力伝票が800枚に減少させた・・・入力作業負担減少
  2. 入力担当者を10人から3人に減少・・・入力コストの削減
  3. 月次決算10日から5日に短縮・・・経営意思決定の迅速化、決算コストの削減
  4. 請求書の自動作成によって、仕入先の負担軽減
  5. 決算、請求支払い業務の迅速化による、資金繰り時間に余裕発生
  6. 店舗増床のたび、必要だった伝票入力担当者の削減
●今後の課題
 今後の課題は、残りの100社のEDI参加が課題。発注業務の効率化のメリットを強調し、仕入先の説得が必要。


●システムアナリスト加藤忠宏の意見
 システム的にユーザの利便性を追及した良い事例だと思う。しかし、このようなシステム導入時にいつもぶつかるのが仕入先企業のITコスト負担だ。私もユーザの合意形成で苦労する点がこの点であり、いつも負担額の決定について、運用担当者と課金方法やその負担額について頭を悩ます。
 このような問題を解決するためには、やはり、負担企業の経済的メリットを示すことが重要であり、必ず、負担額に相応の根拠の他、負担者の経済的メリットを提示するようにしている。このときのプロとしてのこつは「お買い得感を演出すること」である。
 負担者が想定していないようなお買い得感を以下に提示でき、それをプレゼンできるかがシステムアナリストの力量だろう。

 ※EDI(Electronic Data Interchange):電子データ交換
  電子発注、請求、代金支払いの業務のIT化。標準的ビジネスプロトコルEDIFACTがある。




ページトップへ


電子政府について
平成16年 6月20日(日)

 台風が沖縄に来ているようです。今週は、高知を含めて出張が多いので心配です。

 情報処理学会2004年度 VOL.45を読んでおりまして、富山県の行政情報化の話がでていましたので興味を抱きました。「富山県の行政情報化推進施策」富山県経営企画部寺林等の論文です。面白いので取り上げます。

 よく言われることですが、私の住んでいる静岡県と富山県、石川県および福井県の北陸三県の経済規模の比較を行うと、静岡県の方が、経済規模が大きいそうで、そのようななか、富山県は積極的に電子政府に取り組み、スリムな行政を目指しているようです。


●インフラの整備
 富山県は全県に整備されたケーブルネットワークを借り上げて、本庁と出先行政機関との間の1Gbpsに相当する高速ネットワーク「とやまマルチネット」を構築しました。また、業務専用端末を廃止して、職員1人1台のパソコン体制を確立したそうです。
 セキュリティの確保も行われているようで、全てのゲートウェイとホストでウィルス対策と侵入検知システムの導入が行われました。もちろんWebサーバやブラウザソフトの脆弱性の担保も十分に行われているようです。

 ※IDS (Intrusion Detection System)
  侵入検知システムのこと。ネットワークを監視し、不正アクセスのパターンを発見し、検知する。


●開発案件のとりまとめ
 ご存知のとおり、行政機関はどこも財政赤字が多く、私の関与する新潟県や長野県は、聞く限りで数百億円の赤字を抱えているようです。このような財政赤字の中で適切な情報システムの開発案件を取りまとめる仕組みが重要です。
 そのため、富山県では情報政策課が一次元に開発予算や依頼受け付けの窓口になり、財政当局に予算要求する仕組みになっております。


●開発・運用コスト削減の工夫
  1. サーバの一元管理  ソフトウェア構成が類似し、かつ、業務範囲が類似する業務サーバ。及び業務のピークが重複しないサーバを1台のハードウェアに収容することにより、ハードウェアコスト、ソフトウェアコスト及び運用コストを圧縮しています。
  2. EA (Enterprise Architecture)の実現  組織運用とIT運用とのバランスをとり、ITの運用効率を高めるため、XMLなどの標準化のシステムを導入し文書管理とWebシステムを連動させるなどBPR(Business Process Re Engineering)を実現しています。
 ※EA (Enterprise Architecture)
   組織の業務手順や情報システムの標準化及び組織の構造の最適化を進めることによって、
   効率よい組織とITを実現するための方法論のこと。
 ※XML(eXtensible Markup Language)
   タグを利用したマークアップ言語。HTML同様に、任意の文書を送受信することができる。




ページトップへ



レガシーマイグレーションについて
平成16年 6月17日(木)

 レガシーマイグレーションとは、「古く乗り越えなければならないもの」という意味を持ちます。 ざっくばらんに言うと、ホスト(汎用)コンピュータとそれにかかわる情報資産のことを指しているようです。

●レガシーマイグレーションの問題点
   レガシーマイグレーションの問題点として、考えられるものを列挙してみました。
  1. 汎用機の保守コストが高額
  2. 歴代のシステムの規模拡大により、保守コストの増大
  3. ドキュメントの不備により保守の限界、不要な資産の切り分けが困難
  4. ホスト系のままでは、オープン系技術への対応が困難
   さらに、ホスト系を手がけてきた技術者の方々が定年を迎えるという問題もあります。

●なぜ、対策が進まないのか
   色々、問題のあるにもかかわらず、対策が進展しない理由は以下のような理由と考えられます。
  1. ハード提供ベンダーの戦略
  2. 情報システム部門の特定のソリューションベンダーへの依存体質




ページトップへ


ICタグ導入の損得
平成16年 6月15日(火)

ICタグの導入についてかまびすしい議論が行われているようです。

●SCM(supply chain management)に貢献するICタグ
 ICタグを導入することによって、SCMの活動を円滑化することができそうです。
  1. 食品などの流通履歴に関連するトレーサビリティ(ISO9000でいう追跡可能)が実現できる
  2. 倉庫内のどこに何があるかが瞬時に分かり、倉庫要員を削減し、コスト削減につながる
  3. ある企業のICタグ投資対効果(Return On Investment :ROI)=29%
  4. 小さなスペースに取り付けられ、偽造複製が困難
  5. 非接触電力伝送で動作可能なので電源不要

●ICタグ導入の課題
 一見すると、すべて、良いように思いますが、実際に新技術はほとんどと言って良いほど課題を抱えていることが多いです。
システムアナリストの場合、その損得を見極めなければならないですね。
  1. ICタグ読み取りリーダのコストが高い
  2. ベンダーのシステム開発経験が少ないので実践的なサポートがうけづらい
  3. ICタグの通信距離が短く35kHzは1メートル〜2.45GHzでも2メートルである。このため広い工場内などの利用に制約がある
  4. ICタグの利用で、誰が、どの商品を購入したことも判る可能性があり、個人情報字保護の観点からも課題。
  5. ICタグがカバーできる製品数が、全製品レベルで65%程度だといわれている

一般に大手企業は既にバーコードによる在庫管理システムを構築しており、その在庫制度は90数%以上の高精度となっています。そのように精度の高く安定した情報システムを新しいシステムに置き換えるにはリスクが多いのです。




ページトップへ

共同調達システムについて
平成16年 6月13日(日)

 2004年6月8日の日経流通新聞に面白い記事が載っていました。
この記事によると、大手家電量販店5社は、共同調達システム利用を拡大するようです。
なんと、その割合は5社売上合計の50%に相当する額をシステム利用で調達するようです。

 その戦略は
   1.共同調達の品目も拡大
   2.共同受注の拡大で大量発注の実現、それに伴う仕入れ価格抑制による
     あら利益の確保
   3.商品は完全買取り方式
   4.物流ルーシステムの工夫
       @納品計画の策定
       A3ヶ月前にコンテナ単位で発注・完全買取
       Bコンテナのまま各社に直送配送
 ということです。

論文のネタにどうぞ。



ページトップへ


ある企業に行って参りました。
平成16年 6月 3日(木)

ご相談の要件は、イントラネットの業務統合です。
基本的な業務データのワークフローを確立するだけでなく、
業務データから得られたデータをEXCELに取り込んで、経営者がデータ分析を行うことを目的としています。
そのために、経営者の方がどのようなデータを求めているのかをヒアリングしてまいりました。

そのなかであがっていたのが、
 @月間販売金額の昨年対比
 A月間販売計画の予算・実績対比
 B営業担当者の月間顧客訪問計画数の予算・実績対比   でした。

やはり、経営者は自分の打ち出した経営戦略の妥当性を確認したい生き物なのですね。


 

 


電力系システムの費用対効果について
平成16年 6月 1日(火)

 本日、大企業の製造業に行って参りました。
ご相談の要件は、電力系の計測システムの導入計画です。まだ、お客様は導入を迷っていらっしゃいます。
そこで、情報システムの費用対効果のための調査を行うことにしました。

その調査項目に待機電力がありました。
待機電力というのは、使っていない機械にも電流が流れ、多額の電力を消費していることになります。
結構これが馬鹿になりません。同行された技術者の方の試算では月間ウン千万円になるそうです。
では、単純にコンセントを外せば良いと思うでしょう。
そんなに単純な話ではないのです。通常の家電と違いますから。機械装置の電源設備は。
そうなんです、大型機械1台の電源設備撤去にも数十万円かかるのですよ。
それがウン十台でしょう。稼動していない機械でも、いつ、使うかわからないじゃないですか。
意外に経営者の方って、こういうところの判断に迷うのです。一度、撤去した設備を再使用するのって悔しいですからね。




ページトップへ

Webサーバのトラフィックとビジネスチャンスについて
平成16年 5月31日(月)

 新しい、コンサルティング手法を開発しました。
 Webサーバのトラフィックの監視ツールを使い、ユーザのWWWサーバトラフィックを監視します。

 顧客がビジネスチャンスになったときは、
  @トラフィックが時系列的に急激に向上する
  A同一サイト内で、閲覧Web数が増加します。

 そのチャンスを捉え、そのことを顧客に告知する仕組みを考えたところ
 顧客のWebサイトの成果が劇的向上しました。




ページトップへ

いま、リアルタイムシステムが話題
平成16年 5月25日(火)

 リアルタイムシステムって、皆さんご存知でしょうか。
 馬鹿にするなって?  そうでしょうね。
 でも、どうやら、今話題のリアルタイムシステムって、ちょっと違うみたいです。
 どう違うかって?  そうなんです。まず、店舗の映像をビデオで捉え、
 それをADSLなどのブロードバンド回線で本部のマーチャンダイザーに送信するのです。
 マーチャンダイザーは、映像情報とPOS情報とを見比べて、その商品が他店で売れなくて、
 なぜ、その店で売れるのかを観察し、売れるノウハウや展示法を社内で共有するのだそうです。






ページトップへ

本日、NPO法人の業務監査にいってきました
平成16年 5月24日(月)

 静岡県に委託されて、NPO(Non Profit Organization)法人の業務監査に行ってきました。
監査結果は、NPO法人さんのサイトで公開されます。監査報告書には加藤の署名、捺印が入ります。

次の点に留意して監査いたしました。
 1. 誕生したばかりの組織であること
 2. NPOの特性として公共性があること
 3. その目的に合致した業務活動がなされていること
 4. NPOだからといって、営利行為があっても許されること。

自主財源確保の観点  大変、勉強になりました。NPOも法によって、認可される業種があるんですね。
一部、怪しい団体もあるようですが、私が担当させていただいたところは良識的なところのようでした。




ページトップへ


△HOME | システムアナリスト小論文・記述式対策講座 | システムアナリスト小論文突破講座CD | プロジェクトマネージャ日記



アイ・リンク・コンサルタント
加藤忠宏
TEL:054-205-3320

info@katoken.gr.jp