私も当初は1900年代にAIを学習した知識が邪魔して、現在のAIの用語に面食らったものです。ここでは、初心者が現在のAIの全体像を理解するのに必要なキーワードを独自の解釈を加えつつ解説します。「まず、押さえておきたい用語」をご覧ください。
「まず、押さえておきたい用語」
機械学習
機械学習という機能がかつてのAIと最も異なる点です。ちょっと私が研究していたころのAIとの 違いをまとめてみました。仮に「犬」というものの識別を例にとってお話します。昔のAIは、犬とは「耳が2つあって、大きさは~、尻尾は~、足は~毛並みは」とすべて定義してなければなりませんでした。現在のAIはまず、ライブラリに犬を含めて他の動物の写真をタグ付きで投入します。タグは「犬」「猫」「豆柴」など写真に対応したキーワードをつけてゆくのです。
ライブラリができたら、AIにその写真とタグを読ませます。その総称を機械学習といいます。これを何回か繰り返すとAIが犬を認識するようになるのです。繰り返し学習して理解を深めることがディープラーニングなのです。
写真は機械学習データを活用して、AIにミックス犬の写真を与えて「機械学習でミックス犬を見抜いた」ケースです。この犬はシーズーとチワワのミックスですが、シーズが32%,マルチ―ズが27%と考え、シーズーとマルチーズのミックス犬という結論を出しています。
API(アプリケーション連携)
昔のAIはプログラマが1からつくりました。しかし、現在は、googleクラウドが提供するtensorflowというアプリなどを呼び出して、自分のAIをつくることができます。
API(Application Programming Interface)については詳細に解説します。
APIの概念図
パソコンやIOT機器からインターネットを通じてクラウドサービス(この場合はAI)を利用します。
AIではないですが、BMI測定アプリをWeb上に設置しました。空欄に体重、身長を打ち込むと、ネット上のコンピュータが計算を行い。結果を返します。こんな雰囲気の利用の仕方とご理解いただければと思います。
ディープラーニング (深層学習)
犬の写真をtensorflowに読ませ「タグ」と比較して正解、的中率を評価します。これを繰 り返すことによって的中率がアップします。基本的にディープラーニングは繰り返すほど的中率がアップしてゆきます。ただし、そうでもないケースも出てくるのでそれはプログラミング編でお話します。
初期状態のAIって結構ミスしているのです。図をクリックしてください
python
オブジェクト指向型というタイプのプログラム言語です。センサーと接続 されたミニコンピュータ(Raspberry Pi)で得たデータをPCやサーバに転送し たり、あるいはAIで深層学習させるために使います。このため、近年では脚光を 浴びているプログラム言語で、pythonを使いこなせれば新入社員でも高額報酬が いただけるというように聞いています。
図 pythonでかいたdeeplearning構造のプログラム
Anaconda
AIを動かすためには、プログラム言語pythonなどのプログラムを実験的に 開発する環境が必要になります。また、AIをPCにインストールする作業も必要に なります。AnacondaはこのようなAI実行のための必要な環境を整えることを支援 してくれるソフトです。
利用者は、Anacondaをパソコンにインストールしておいて、クラウドに接続し て、クラウドにある機能を使いpythonなどのプログラムを開発していったり、実 験的にAIを実行して思うような結果が得られるのかをテストします。
図 anacondaを使ったpythonプログラミング環境
RaspberryPi
RaspberryPiは英国で開発されたマッチ箱程度の大きさのミニコンピュータです。主としてIOT(Internet of Things)用として、また最近ではAIを動かすためにのコンピュータとして利用されています。特徴としてセンサーの取り付けやセンサーと連動したカメラなどの周辺機器との相性もよく。人感センサーを取り付ければ、人を検知するとシャッターを切ったり、動画を撮ったりします。また、pythonのプログラムを仕込んでおけばその画像などを所定のサーバやパソコンへデータ転送します。また、AIに転送させて機械学習させることができます。
現在、RaspberryPiには3型と4型があり、4型が最新です。しかし、4型は放熱量が多いためファンが必要となることから、3型が実践的といえそうです。 また、それぞれタイプAとタイプBがあるのですが、Bが初心者向けのため、初心者であるならばRaspberryPi 3型 B+を購入する人が多い。
RaspberryPiはボードだけのコンピュータであるため、キーボードも、マウスも、ディスプレイもありません、ただし、USBポートなどを持っているため。これら周辺機器を接続して細かな操作を行うことができます。
Raspbian
RaspbianはRaspberryPiを起動するためのOS(Operating System:基本ソフト)です。系統としてはUNIX系のOSで、Linuxに近いといわれています。プログラム言語pythonが実行できたり、マイクロソフトのオフィスにちかい機能を備えて居たり、Webブラウザも利用することが可能です。
RaspberryPiは購入時に、このRaspbianをプレインスト―ルしていないものが多いため、利用前にRaspbianをインストールしてから活用するのが一般的です
LightGBM
LightGBMは2分木に基づく決定木を採用するアルゴリズムです。例えば緑茶と紅茶を識別するときに水色(すいしょく)が赤かと聞き、Yesなら紅茶、Noなら緑茶です。LightGBMはデータ分析コンペティションで上位者がほとんどこのアルゴリズムを使うなど有名な手法です。その特徴は以下の通りです
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